書評ではないのですが、雑誌の日経ビジネスに掲載されていたハイディ日高(日高屋をチェーン展開する企業)会長である神田正氏の話を紹介します。
(2018/10/27 Kazu)
3ページという短い記事なのですが、ビジネスを考える上での基本姿勢というのを教えられる気がしました。

例えば、世の中の動きから顧客のニーズを掴むことに関し、
・駅の階段を降りてくる出勤中のサラリーマンを見ていたら、70年代半ばころは少なくとも10人に3人が弁当を持っていた。それがだんだんと減っていることに気付いたんです。外食が大きなビジネスになると感じました。
・以前のように深酒をする人は減りました。これも駅を観察して、酔っ払って寝ている人が減ったなと気付いたんです。1000円くらいでさっと飲める場所が求められていた。
・店を出すかどうか判断する際は、1日の乗降客数や商圏人口も参考にしますが、最後は勘です。街の匂いってあるんですよ。
というように自分の目で見て感じ、察知する。

あるいは、
・深夜2時くらいまで店を開け、何ヶ月かすると0時すぎでもお客さんがいっぱいになりました。店があった岩槻市は人形作りが盛んで、職人が夜10時ごろまで仕事をする。そのあと駅前の屋台くらいしか食事をする場所がない。そこに鉱脈があったんです。
・面倒で人がやりたがらないことに挑戦し、功を奏しました。日高屋をラーメン専門店ではなく、”大衆中華”の店にしたのです。
といった視点を持ち、どうやって設けるか、どこにチャンスがあるかを考える。
これは他社との差異をどこに置き、競争優位性をもつかという戦略的な思考だと思います。

また、商売に対して、
・毎朝バイクで八百屋にキャベツやネギを仕入れに行き、店の名前を言えばツケで買えるんです。それが夜になると、5万円~6万円の売上金に化ける。現金が先に入ってきて、支払いは夜。キャッシュフローがいいです。
・駅を降りて”ここはどんな街なんだろう”と歩いて回っている時が、最高に幸せなんです。
というように、楽しんでやっている。
自分のやりたいことがビジネスに繋がっているということがよくわかります。
リーダーシップで言われるSelf-awarenessによって、自分のやりたいことが明確になって繋がっているという感じがします。

そして自ら、あるいは会社としての使命として、
・夜遅くまで働いた人が、そこでさっと飲んで帰っていく。サラリーマンにとっての”駅前インフラ”だった。私たちはそういう、いつの時代もひつようとされる、社会のインフラになりたいんです。
・(何が原動力になったか?)間違いなく会社を支えてくれた社員の皆さんの存在が大きい。一緒に何とかお店を大きくしようと奮闘したころを思い出すと、今でも胸が熱くなります。
と、ミッションを明確に持っていて、それに従って経営を行い、経営者としての行動に繋がっているのだろうと想像します。
よって軸がぶれずに進んでいけるのだろうと。

企業の中では、スタッフやコンサルなどが集めた資料、それもWeb情報などの2次資料を中心として、フレームワークを使って分析し、きれいなプレゼン資料を作って事業提案なんてこともあるのだと思います(MBAでやっていることもそんな感じかと)。
見た目がきれいなプレゼン資料はなんとなく良さそうに見えてしまう、しかし本当にそれが正しいのか、判断出来るのかというのは最後は決定者である経営者の嗅覚のようなものなのかもしれません。
もちろんロジックや経営に関する理論、フレームワークといったことを使って導き出すことも大事なのでしょうが、判断するのは経験者がもっている右脳的能力なのだろうとこの記事を読んでいて感じました。
多分それは机の上で、PCを見て仕事をしているだけでは養われない能力であり、この記事の神田氏のように、自分の目で見て感じ取る、そして判断して、その結果がどうだったかを自分の中でフィードバックするといった経験により培われていくのではないでしょうか。
もちろん人の動きなど自分の目で見なくてもこれからの時代はテクノロジーによって可視化出来るのかもしれません。
しかしそのようなテクノロジーを活用しながらも、人間がやるべき仕事が何なのかという命題に対するヒントがあるように感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください