ハイパーインフレとは、急激に進行するインフレーションを指します。つまり、お金(ペーパー資産)の価値が暴落し、モノ(実物資産)の価値が急騰し、モノの値段が数十倍から数百万倍にもなるため、それまで貯めてきた預貯金では、ほぼ何もモノを買うことが出来ない状態になります。例えば、ベネズエラでは、去年まで100円で売っていたコーヒー1杯が100万円近くになっているという話を聞きます。

日本では、1990年代から財政破綻やハイパーインフレのリスクが、指摘され続けていますが、20年間そのリスクは発生しておらず、筆者も含めてハイパーインフレを経験したことのない多くの日本人は、実感の沸かない非現実的なリスクと思っている方が多いと思います。

本稿では、いくつかの観点から、その発生リスクについて考えてみたいと思います。

まず、経済学的に見ると、マネーの供給が増えれば物価は上がることになりますので、日本銀行が2013年に始めた大胆な金融緩和によりインフレになるはずが、まだなっていないため、ハイパーインフレが発生するポテンシャルがどんどん高まっていると言えるでしょう。

次に、歴史的に見ると、海外では、途上国を中心に頻繁に発生しています。今年に入ってからだけでもベネズエラ、トルコなどがハイパーインフレと言える状況になっています。
また、先進国では稀ですが、例えば、1920年代にドイツで発生しています。この時には戦費を賄うために通貨の番人であるはずのドイツ中央銀行が規律なく紙幣を発行したためハイパーインフレとなりましたが、ドイツではこの時の反省が教訓として生きており、EUとなった今でも欧州中央銀行の金融政策に目を光らせています。
日本でも、ドイツ同様に戦後ハイパーインフレが発生しましたが、教訓として報道されることはほとんどありません。

著名人の発言を見ると、日本株式会社のコンサルタントと言われる大前研一氏は、「財政の悪化が進めば、物理現象として、ハイパーインフレが起こる」と言ってます。また、伝説のディーラーと言われている藤巻健一氏は「東京五輪前に量的緩和政策が崩壊する可能性。もはや待ったなし」と言ってます。海外の著名投資家のジムロジャース氏は、「借金して日本に家を買う。政府がその借金を返してくれるから」とまで言っています。

最後に、日本文化的に考えると、日本は原発事故が想定できていなかったように「未知のリスクに弱い」という点、また過去から「無責任な先送り」を繰り返して、最後は外圧によって大きなパラダイムシフトを、およそ80年サイクルで何度か経験しています。

1860年代: 黒船、ペリー
1940年代: 戦争、マッカーサー
2020年代: ?

東京五輪のお祭りが終わる2020年代には、どのような危機が発生するのでしょうか?
それがハイパーインフレだとすると、その後に日本はどのような姿にパラダイムシフトするのでしょうか?
そのような時こそ、リーダーが真価を発揮すべきなのだと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください