グローバルリーダーの流儀というタイトルにあるように、グローバルで活躍するリーダーはどうあるべきか、どのような視点や思考を持つべきをストーリーを使って教えてくれる本です。
(2018/5/11 Kazu)

ソニー、マッキンゼー、DeNAにシリコンバレー(のベンチャー企業)で働いたという著者の経験をベースに書かれているので、教科書的な内容ではなく直観的に理解出来る作りになっていると思います。
ちなみにこの本は2013年11月に出版されていますので、シリコンバレーの時間の速さを考えると若干ストーリーの設定が古く感じるかもしれませんが、ここで書かれている本質には何の問題もないと思います。

ここでは日本で急成長するベンチャー企業がアメリカシリコンバレーのベンチャーを買収し、それによってアメリカ市場進出を図っていくというストーリーが流れ、並行してその解説がされています。

よってアメリカ人やアメリカ企業と一緒に働くときに感じる日本人や日本企業とのギャップ、更にはシリコンバレーのベンチャーとのギャップがなぜ生じるのか、そのギャップによって生じる同様の問題を抱える人に対する一つのサジェスチョンになっているでしょう。
グローバル(化)というキーワードは当たり前のように色々なところで使われていますが、そもそもグローバルで仕事をするということは曖昧に使われているところがあると思いますし(そもそも対象する範囲が広いので曖昧にならざるを得ないでしょう)、それによって理解が難しいのかもしれません。
日本人にとってグローバルで仕事をするというとアメリカ(人、企業)の仕事のやり方がなんとなくイメージとしてあるかもしれません(もちろん人によって異なるでしょうし、一概に言えるものではないでしょうが)。
この本でもシリコンバレーを舞台にした内容になっているのでアメリカ(人、企業)の価値観や企業文化について具体的に書かれており、日本(人、企業)とのギャップが理解出来ると思います。
しかしグローバルで仕事をするというアメリカ(人、企業)と一緒に仕事をすることに限った話ではなく、現実には多種多様のシチュエーションがあるのだと思います。
それも踏まえて、この本のタイトルになっているグローバルリーダーとしての心構えが書かれていますが、ソニー創業者 盛田昭夫さんの以下の言葉を引用しています。
“コミュニケーションを図るために大事なことは、相手の気持ちが、どのチャンネルに合っているかを早く見つけ出すことである。最初は手探りでも、必ず見つけ出せるはずである。そのようにして努力してこそ、本当の意味での良いコミュニケーションが図れるようになると思う”

この言葉の中には”グローバル”というキーワードは入っていないのですが、仕事の基本である人とのコミュニケーションというのは相手が誰であろうが、相手をちゃんと理解した上でコミュニケーションを図るべきという示唆なのだと思います。
逆に捉えると日本人同士でドメスティックに仕事をしていても、本当にコミュニケーションが取れているのか?ということを振り返らせてくれる言葉なのかもしれません。

またこの本の中では、アメリカがグローバルスタンダードと言っているわけではなく、仕事の側面で世界の色々な国がどう違うのかを説明してくれます(よって日本だけが世界において特殊というわけではなく、アメリカも特殊な位置付けにあることを教えてくれます)。
例えば意思決定の仕組みの違いをトップダウンかコンセンサスか、縦社会か平等社会かという2軸でプロットしたときに、アメリカはトップダウンで平等社会であるのに対して、日本はコンセンサスで縦社会という対極に位置しているということです。
トップダウンで縦社会というのが東南アジア、中国、ロシアなどで、ドイツは日本に近いところにプロットされていますので、当たり前かもしれませんが、一概に”グローバル”で理解出来るわけではなく、国よっての違いがあることがわかります。

併せて著者は、日本人の武器は感性と好奇心であるとして(微妙な心理描写や、鋭く繊細な感性による画像・映像の表現)、それをグローバルの場で活かすべきと提言しています。
グローバルという言葉が特別なものではなく、当たり前になっていくこれからの世の中ですが、まだまだ海外の人や企業と仕事をすることによるギャップを感じことはあるでしょう。
そのような問題にぶち当たったときにこの物語が一つのヒントとなるかもしれません。

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