世の中で言われている原因結果の関係について、本当にその因果関係が正しいのかをデータ統計処理の考え方をベースに説明してくれる本です。
(2018/5/6 Kazu)

本書はタイトルにあるように経済学、すなわち世の中の経済に関する(あるいは社会的な事象に関する)原因と結果の関係について、それは本当に正しいのか?という点を統計学のアプローチで解明しているものです。
2つの事象に因果関係があると思われていても、本当に因果関係なのか、逆の因果関係なのか、相関関係なのか、あるいは相関もない(ただの偶然)のかといったことをきちんと捉える必要があるということです。

個人的にもこのブログの”原因と結果(inputとoutput)“というタイトルで書いたように、人や社会についての因果関係を考えることに興味を持っているところもあるのでそれにマッチした内容とも言えます。

世の中で言われているような様々な因果関係についての説明がされているのですが、その一例として男性/女性の医師による患者の死亡率というデータから、女性意思の方が患者の死亡率が下がるというデータがあるそうです。
これが男女差という原因による結果であることを導くため、あくまでも患者がランダムに割り振られる条件において取ったデータを使う必要があると(逆に言うと、治療が難しい患者は男性医師が治療するケースが多いそうで、そのようなバイアスがかかったデータを使ってしまうと男女差という原因による結果だと言えなくなってしまうわけです)。
このようにデータだけを見ると、ある原因によって結果が導き出されるような因果関係と思ってしまうようなこともきちんとデータの中身を理解しなければそれが正しいとは言い切れないわけです。

ちなみにこのケースでは、女性医師の方が患者の死亡率が0.4%低いという結果が得られたということです(0.4%というのが誤差というように感じてしまうが、これは有意な差だということです)
なぜ女性医師の方が患者の死亡率が低いかは、推定要因として、女性の方が診療ガイドラインに沿った治療をする傾向がある、患者との密なコミュニケーションをするということが挙げられています。

ところで昨今は、ビッグデータが大きな意味合いを持つようになってきていますが、この本に書かれていることはそのデータが示すことの正しさを理解するための基礎知識だと思います。
ビッグデータという新たなテクノロジーによって人間が解き明かせなかったメカニズムが見えてくるというメリットがありますが、そのデータを正しく取得し、処理しないと誤った結果(本当は因果関係ではないことを因果関係と誤って認識してしまうような)を導き出してしまうリスクがあるのだと理解しました(専門家からすると当然のことなのかもしれませんが、素人からすると見誤る可能性もあるかなと気付かされます)。
データが大きな価値を持つと言われる今の世の中において、身に付けておくべき基礎知識なのかもしれません。

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