スタンフォードといえば有名大学であり、シリコンバレーにも近いことから起業家を生み出すようなイメージがあります。
(2018/3/13 Kazu)

そのスタンフォードの経営大学院で教えられ、人気のある授業というのはどのようなものなのか興味を持たせるタイトルです。
そこで教えられるのは、”人”に関する授業であり、大きく分けると人間を知るための授業と人間力を高める授業。
そしてリーダー育成のために自分を知る、自分にとって最も大切なことは何か?と問われるような毎日を過ごすのだとか。
リーダーとして自分を知ることが大事だということはこのブログでも何回か書いてきました。
自分が信じた価値を実現するためにビジネスがある、あるいは仕事を通じて自己実現をするという考え方が根底にあるとスタンフォードでは教えられるのだとこの本にも書いてあります。

日本の教育を受けてきた自分として、自分を知ろうなどということに労力を使ったことは無く、ましてや自分が持つ価値を実現するために仕事があるというような考え方は存在しなかったと思います。
LAP(Leadership Action Program)を受講した際に、初めて自分の人生を振り返り改めて自分について考えるということをやってきました。
実は自分のことというのは知っているようで知らないものだとそのときに感じました。
そして自分を掘り下げ理解すること、そこで認識した自分自身、自分の持つ価値観を大切にし、そこから自分の仕事、キャリアに結び付けていくということを考えてきたのですが、重要なことだと思います。
本当は日本の教育においてもこのようなことが教えられる必要があるのかもしれません。

日本のビジネス環境はシリコンバレーに比べて25~30年遅れているということです。
同様に教育も相当遅れているのだと思います。
逆に言うと、これからの日本社会においてもっと”人”そのもの(すなわち心)に関心が集まり、自分を知る、人を知るという学びが主流になっていくのかもしれません。
変化の激しい世の中であるからこそ、自分を知り、自分の価値観や軸というものをしっかりと築きながら、人間をより良く知っていくことの重要性が高まっていくはずです。
なぜなら論理はコンピュータなどのテクノロジーがある程度片付けてくれますが、論理では解決出来ない人間の内面的な部分こそがこれからの時代に扱うべき大きな課題なのだろうとなんとなく感じます。

さてこの本の構成は、1.人間を探求する授業、2.人間力を鍛える授業、と大きく2つのパートに分かれています。
1の人間を探求する授業の中ではマーケティング、イノベーション、リーダーシップなどについて書かれています。
そして2の人間力を鍛える授業の中では、コミュニケーション、交渉術に加えてマインドフルネスについても書かれています。
科学的裏付けを持って人についてのアプローチをしています。
ここでは詳細を書きませんが、一つだけ紹介します。
人は選択・決断にエネルギーを使う、選択肢が多すぎると選択することを放棄する、決断疲れによって最後の方の決断はいい加減になってしまうか放棄する。
BBTの学長である大前研一さんは出来るだけ無駄な決断をしないため、毎日着るシャツは同じものにして選択をしないのだと昔から言っていました(同じシャツを沢山もっているので、もちろん洗濯はしているでしょう、笑)。
決断疲れについて感覚的に理解していたということなのでしょう。
そして20年くらい前の大前さんの著書に、人は選択肢が多くなりすぎると似たような選択をするといったことが書かれていました。
スタンフォードで学んだわけではないでしょうが(スタンフォードの教授はされていましたが)、人についての理解が深いと言えるのかもしれません。
そこから考えても人についての理解というのは重要であると言えそうです。加えてこれからの時代において人を知ることの重要性が高まる中ではこの本の価値があるということかもしれません。

“書評-「スタンフォードでいちばん人気の授業」(佐藤 智恵)” への1件のフィードバック

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