来を考える、あるいは予測する本をいくつか紹介していますが、この本もその1つとして紹介します。

(2017/9/7 Kazu)
これはLAPを受講中に紹介してもらい、受講生の中でも少し話題になりました。
そして個人的にかなりインパクトを受けたお薦めの本です(出版は2015年)。
文章の量はさほど多くはないと思いますが、かなり濃い内容だと思います。
ここではその概要を紹介してみます。

この本は、多くの人は未来を見誤るという話から始まります。
例えばライト兄弟が飛行機で人類初めて空を飛んだ少し前には、飛行機の実現に100万年以上かかると言われていた、Facebookは日本では流行らないと当初言われていたという話が挙げられています。
世の中の99.9%の人は未来を見誤るが、0.1%の人は未来を世界が変化するパターンとして見抜いているということです。
このパターンを認識するのに最も重要なのがテクノロジーであり、社会の進化は常にテクノロジーが牽引してきた。
この世界が変化するパターンを見抜くこともまた”隠れた真実”と言えるのかもしれません。

では、このパターンをどのように見抜くのか。
・点では無く線で考える
・パターンで考える
・原理から考える
といったことが重要のようです。

2つ目のパターンで考えるについて、人は想像以上にパターンの塊なんだそうです。
この話は以前に読んだ”データの見えざる手”という本にもかいてありました(これについても別途紹介します)。
個々を予測することは出来ないが、確率論として全体をパターンで捉えることは可能ということです。

世の中の変化として、
・ネットによりハブ型から分散型へ、それによりB2CからC2Cへ、加えてシェアリングエコノミー
・情報の重要性が増し、その根幹を支えるPF(プラットフォーム)の価値
・インターネットの普及により社会システムを再定義し始めた、例えばビットコイン(国家の通貨発行権にメス)、その他既得権益を窮地に陥れる
・経済の中心は農業・工業から金融・情報通信など非物質的分野へ(アメリカは集中投資)、それにより領土の重要性が下がる、課税システムが時代に合わなくなっている(タックスヘイブン)
といった流れは既に見えていると思います。

更に、
・ガイア理論、地球と全ての生物を一つの巨大生命体と捉える(一つのシステムを作っている)理論、インターネットはその延長で、センサ(IoT)とクラウド上のAIで繋がっている
・衛星の情報を地球上のセンサー情報をセットで分析すると今までわからなかったことがパターンとして解明され、地球が理解可能な場所に
・イーロン・マスクだけでなくGoogleやAmazonのようなグローバルIT企業が宇宙産業へ多額投資をしているのは、これら技術が社会に与えるインパクトを考慮しているから
といった大きな方向に向かっているということです。

そしてこの本のタイトルである未来に先回りするために重要な3つのことを示しています。
1. 常に原理から考える思考法を身に付ける、現在の景色だけを見て議論するのは点に過ぎない、長期的な変化の線で考えなければならない
2. テクノロジーの現在地を知っている、4つの段階 ①使える、②ポテンシャルがわかる、③なぜできたのかを原理から理解している、④実際の作り方がわかる
3. タイミングを見極める、選ぶ市場や戦い方によって乗る電車を選ばなければならない、ただし電車がどこまで行くかを事前に知ることが出来ない、未来を読む力に委ねられている
この本の終わりは、Be a doer, not a talker. (評論家になるな、実践者たれ)というメッセージ。
先回りする力を身に付けるための行動を取ることが重要であり、行動する人が多くを得る時代だということです。
そしてこれからの時代を生き残るために変化の風向きを読み、先回りする感覚が常に必要、しかしその方法は検索しても出てこない。

すなわち未来は自分で考え、その中で自分がどう行動するかを決めなければならない、未来に先回りする行動が必要とされるということなのでしょう。

“書評-「未来に先回りする思考法」(佐藤 航陽)” への6件のフィードバック

  1. これは面白そうな本ですね!
    テクノロジーと未来というキーワードに反射してしまいます!笑
    私もテクノロジーが社会を変えていくと考えている一人ですが、
    このままどこに向かうのか、江戸時代の暮らしの方が地球に優しいじゃないか、
    という批判もあります。
    どちらが正しいとは言えないですが、
    テクノロジーの進化パターンから未来を読めることには大賛成ですね。

    1. 人はテクノロジーに頼り、それによってテクノロジーが進化する。便利になっても、更に便利さや快適さなどを求めるので、必ず進化する。逆回りはないのでしょう。なぜなら人の欲望はどんどん出てくるから。
      もちろんテクノロジーだけが社会を変えるわけではないでしょうが、大きなドライバであることは間違いないと思います。
      テクノロジーの進化、それを求める人、人が形成する社会といったものを構造的に捉えるとパターンが見え、未来が見えてくるということなのかもしれません。

      1. テクノロジーは人間が創り出すものということを考えると、何らかの超越した意思のよって進化が促されているようにも思えてきます。

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