前回書いたようにリーダーシップの実践の前にまずは自身のキャリアについて振り返ったときに、おとずれた今日は第2の危機について書いてみます。

(2017/7/16 Kazu)
この会社にいたのでは自分のキャリアに明るい将来は描けないという危機感、これが1番目でした。晴れてその会社を退職し、1年間のアメリカでの現実逃避した生活(この話はいずれまた)を送り、日本へ戻ることに。当然、ここで次の仕事を見つけねばならず、転職活動開始です。前に書いたように、自分の専門性は特に高い付加価値を持つわけでは無く、望むような職を得られるのか?と疑問があったものの、なにせ無職の身でしたのでまずは希望の会社のHPから中途の求人情報を見て数社応募しました。運のいいことに、比較的すんなりメーカでの開発職を得ることに成功しました(これはホント運が良かったと思います)。
これが2002年のことでした。

新しい会社では前職でもっていたような悩みはなく、なんて良い会社なんだろうという若干の感動も含んだ驚きを覚えながら第2の会社生活がスタートしました。
グローバルで競争力を持つ会社での開発職なので、前職で持っていた付加価値のあまり無い技術という悩みや、精神論の企業文化や上の人達の古いメンタリティなどという悩みも無く、反面異なる企業文化やこれまでに無い技術を覚えなければならないといった悩みはあったものの満足した会社生活を送ってきました。

そんな環境の中での生活も慣れきたのですが、第2の危機を感じたのは2008年のことでした。
世の中で一種の”インドブーム”みたいなことが起こり、NHKでも”インドの衝撃”といった番組がありました。
平均年齢も若く理数系に強いインド人が理工系の大学を卒業しITを中心とした技術の仕事に就いていくということが大きな流れとなり、グローバルな労働市場を変えたということだと思います。
これはより安い費用で仕事を委託することが出来るというメリットと、労務費の高い日本人は彼らに仕事を奪われてしまうというデメリット(リスク)の両面がありました。
私もその頃、インドの企業と仕事をする機会がありました。日本企業に比べてざっくり1/4~1/3という労務費で仕事を委託出来たのですが、これは正直驚きでもあり、脅威でもあると感じました。
そのときのアウトプットのレベルはそれほど高くは無かったというのも事実ですが、どんどん実力を上げていくであろうことは予想出来ましたし、10億人の人口を抱えるインドにおいて、若い人たちが理系の大学を目指して必死に勉強する姿を上記NHKの番組で見たときには今後大きなパワーになるだろうと容易に想像出来ました。
インドはかつては貧しかったわけですが、勉強して理系の大学を卒業し就職すれば金持ちになれるといういわばインディアンドリームがあり、日本の若者にはもう存在しないような向上心・ハングリー精神もあるわけで、日本人なんて簡単に追い越されるんじゃないかとも思えました。
そんな状況の中で冷静に考えると、自分はエンジニアとして働いて日本人としての給料をもらっているわけですが、優秀で若いインド人エンジニアが自分の数分の1という給料で働くのだとしたら、簡単に置き換えられるんじゃないか?というのが自分のとってキャリアの第2の危機でした。

たとえ今は大丈夫だとしても、正直自分がエンジニアとしてとても優秀だとは思っていませんので、彼らの給料を考慮したら簡単に負けてしまいます。経済合理性を考えると、会社として私を雇うより若く優秀なインド人エンジニアを3人くらい雇った方がアウトプットも高く、コストも安く済むわけでそちらを選ぶべきということになってしまいます。
もちろん単純にそのようなことにはならないのですが、自分がこの先20年くらいの間、日本人としての給料をもらい続けることが出来るのか?と考えると、胸を張ってYESとは言えませんでした。
前職では付加価値の高くない技術(設計していた製品はいわばコモディティであり、技術もコモディティ)であり、そこから脱却するために1年アメリカにいて英語力を少しだけ向上させ、転職によって技術として付加価値の高い仕事を得たまでは良かったのですが、インド人エンジニアが目の前に現れた瞬間にこのままでは自分にキャリアに明るい未来は無いと悟ったわけです(いつか来た道ですね、笑)。

ところでキャリアの危機などと大袈裟じゃないの?と思われるかもしれません。確かにそうなのかもしれませんが、自分の中では結構な危機感であったことも事実です。もともとネガティブ思考、悲観的なところがあるので、人から見たら大袈裟に思ってしまうところがあるかもしれません。ただし深刻に悩んだというより(第1の危機は深刻でしたが)、”お、これってなんかやばいじゃん、どうすべきか考えないといけないよね”くらいの感じで、新しい方向へ踏み出すチャンスというポジティブな捉え方もあったのも事実だと思います(”危機”というのは、良く言われるように危険と機会というネガティブとポジティブの意味を含むわけですので)。
ここでどうしたかについての話は次回にします。

“キャリアの危機(第2回)” への1件のフィードバック

  1. KAZUさん
    キャリアの危機、日本人みんな感じないといけないですね。
    終身雇用でぬくぬくと育ってきた私たちは少なからずみないまのままではだめなんでしょうね・

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