本日、日本広告審査機構の総会後にDeNAベイスターズの初代社長の池田さんのお話をききました。
はじめに社員の方と面談したときにある女性社員がこう言ったそうです。
“灰色に濁って淀んだ水槽で泳いでいる金魚なんです”
組織の問題は
「蛸壺、内向き、忖度人事」「チャレンジせず、やらない理由ばかり」「危機感の欠如」「若手に任せない」など、どこにでもありそうな問題を抱えていて、球団経営は惰性だったそうです。
そこで取り組んだことは
野球界を参考にするのはやめる
野球界人事介入→ひとを外からいれる
既成概念を越えるために「次の野球」vision brand book作成
スポーツビジネスからエンターテイメントビジネスへ
競合はディズニーランド→ヤフートップを KPI
そういえば、ヤフーの小澤さんが楽天球団を見たときにも同じこと言ってましたね。野球球団の競合はカラオケボックスや居酒屋だと。
ベイスターズの業績もチームの成績も3年間でV字回復を果たしました。池田社長の話の中で印象に残ったことの1つ目。
「やれること、やれないことをはっきりとさせた」
ということ。
チームの勝敗や優勝は社長にはコントロールできないことなので
チームの成績が良くなる仕組みに心血を注いだとのこと。例えば、ピッチャーの投げる球が後半悪くなるという現象をデータで示し評価に加えるなど。
2つ目。
野球界で初の取り組みを出したときに、失敗もあり、社員にも文句言われたけど諦めずに取り組み続けたこと
業績回復に向けて取り組んだこと
徹底的なマーケティング戦略だったそうです。天気、勝敗、そのほか各種データを分析し顧客を知ったこと。横浜といえば?と聞かれて答えるイメージとベイスターズのイメージのギャップ分析とその対策。ユニフォームの色はなぜ紺なのか?という問いに「強そうだから」という戦略のない選択から、海と港町というイメージに合うブルーに変えたり。神奈川の子供たちにギャップを配ってファンになってもらったり。そうしてグッズ売り上げも拡大したそうです。
ベイスターズビールの開発もしてひとり2.1杯を2.9杯まで伸ばしたそう。
最後にリーダとして必要なことは
リーダの偏執的なまでの情熱
だそうで。偏執的なまでの情熱とのこと。それを見つけられる人は幸せだと。わたしはなにに情熱をかけられるのかなあ。とまた思ってしまいました。人の思いを実現するために今まで働いてきたけど、自分の中から湧き上がる情熱にはまだ出会ってない気がする。
興味深いお話の共有ありがとうございます。
プロ野球チームの運営が親会社の広告塔から単体で利益を出すビジネスに転換していくというのはスポーツ界にとっても良いことなのだと思います。
その意味では旧態依然の親会社にぶらさがるチームより楽天やDeNAが新しいことにチャレンジしているというのは合点がいきます。
リーダーとしての情熱のお話はアンディ・グローブの”パラノイアだけが生き残る”という言葉と同じですね。
自分のBEの上の成り立っているDOが情熱に繋がるのだろうと感じます。
(現実は大きなギャップがありますが)