これからの将来において無くなる仕事、といった話が最近色々なところでされていると思います。
今日紹介するTEDのプレゼンは、まさにそのようなテーマである技術の進化によって仕事がどうなるのかについてです。
この中では技術の進化と就業人口についてのいくつかの例が示されています(アメリカにおける話です)。
・ATMが発明されて、銀行窓口係の数は25万人から50万人と2倍に増えた
・農業人口は全雇用の40%から約1世紀で2%未満へ減った
1つ目の例は、銀行窓口における作業は減り(機械化)、セールスマンのような仕事へシフトしていった
2つ目の例は、農業生産性の向上により、少ない農業人口でもアメリカ国民を食べさせることが可能となった
どちらの例も技術進化によって効率や生産性が向上し、同じ仕事はより少ない人でこなせるようになると同時に人のもっている能力(専門知識、判断力、創造性)の重要性が増すということ。
また人々の欲求は高まっていくため、それを満足するための新しい仕事が生み出されるということです。
それによって雇用は、高付加価値である良い仕事と、低付加価値である作業のような仕事の二極化が発生していると。
問題なのは多くの人々が良い仕事に就くためのスキルをもっていないということです。
良い仕事に就くためには学校(教育)が重要な役割を果たす。
最近世の中を賑わせている技術進化に対する期待はいわゆるAIによるものであり、今までの歴史と異なるのは人間の脳を超えるときが来る(シンギュラリティ)と言われているからだと思います。
しかしこのプレゼンターのオートーさんは過去200年において、何度も”今回は違う”と言われて警告されてきたのだと言っています。
極端な話、原始時代は食料を得ることが仕事の全てと言えたでしょう。そこからテクノロジーの進化によって全世界の人が必要とする食糧はごく一部の人によって作ることが出来るようになった、それによって食料を得るという大多数の人の仕事は無くなったものの、それに代わる新しい仕事が出てきているわけです。
それが人類の繰り返しだと考えると、確かに無くなる仕事は出てくるでしょうが、新しい仕事も出てくる、というより人が創り出していくわけです。
無くなる仕事の心配をする前に、自分が新しい仕事を生み出す、あるいは新しい仕事をするために必要なスキルを身に付けていく必要があるということでしょう。
その変化が速くなっている今の時代においては、持っている能力が陳腐化するスピードも速く、一つのスキルでふんぞり返っていられなくなってきているわけですね。
それは仕事を失うリスクもありますが、新しいビジネスが生まれる大きなチャンスと捉えるべきかもしれません。
2017/10/18 Kazu
すごく興味深いテーマです。
>無くなる仕事の心配をする前に、自分が新しい仕事を生み出す、あるいは新しい仕事をするために必要なスキルを身に付けていく必要があるということでしょう。
全く持ってその通りだと思います。
能動的に動かなければ。
「効率化はいいけど,自分たちの仕事がなくなってしまうじゃないか!どうしてくれるんだ!」
という声は,悲しいかな,かき消されてしまうでしょう。
変化のある時代に生きている限り,対応することは自分の責任ですし,
仕事を選ぶのも,自分の責任ですからね。
AI時代に失われる仕事は何か。
そんな記事が増えましたね。
しかし、記事に付くコメントを見ると、「分からない」「どの仕事でも部分的にAIが入るから、創造的であろう、人間的であろう」として、考えても無駄と議論を終わらせる向きも多いと感じます。
私はニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズムでプログラミングした経験があるのですが、機械が出す答えの理由が無いのが特徴です。
生物の進化と同じで、なぜ今の形になったかは、有名な「環境に適合したから」しかありません。後付けで、おそらくこうだからという推論のみです。
今後、人間がAIに任せる領域の判断論拠は、同じようなものになる気がします。
なぜそういう結果なのか?と問われれば、まず、それ以上の解が無かったからとされ、正しいかどうかの議論はナンセンスになります。
都合の良い解を導かせるよう、株価操作のような犯罪も増えるかもしれません。
そういう意味で、高度な仕事のひとつに、正しいこととは何かを追及し、AI適用をチューニングする仕事が挙げられる気がします。
>高度な仕事のひとつに、正しいこととは何かを追及し、AI適用をチューニングする仕事が挙げられる気がします。
私もそのように思います。
少し話が違うかもしれませんが、”ゼロ・トゥ・ワン”の中にも、金融詐欺を判別するアルゴリズムを作っても、それを騙す手法を詐欺師は考えてくる、しかしアルゴリズムと人間の思考のハイブリッドによって詐欺を判別出来ると。
何かしらAIなどのテクノロジーだけではカバー出来ない人がやるべき仕事は必ず残るということだと思います(それがこのTEDでのメッセージだと理解しています)。